CICADA(シカーダ)一巻の感想あるいは紹介
まさかの本日二回目の更新^^

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小学館ビックコミックスピリッツ CICADA(シカーダ)一巻感想あるいは紹介。

Twitterでフォローしてくれてる方はご存知だとは思いますが、
2/10に何度もリツィートしてたのがこのマンガです。
原作が「Bバージン」「絶望に効くクスリ」など、恋愛や人生相談的な、
メッセージ性の強い漫画家山田玲司先生で

作画がバナーイ先生という新進気鋭、
「九十九百景-神様道中記」という作品を描いておられた方なんですが。

で。

かさばる兄さんが入り浸ってる、和歌山の模型店プラローグさんに、
たまにこの「バナーイ先生」がふらっと現る事があるんですよね。(2回遭遇しましたw)
その人柄と、店長が友人なのとでプラローグ全体がバナーイ先生推しになってまして^^

月刊スピリッツで連載が開始されたんですが、
本屋でもぼくは見つけれた事がないというくらいレア雑誌で、
結局、一話をプラローグさんで読ませてもらったんですよね。
で、絵が受け付けないとかそんな事もなく、単行本が出たら買わせてもらおうと。

正直に書くと、そんな感じの出会いでした。

で、実際にまとまった話数を読んで、すごく気に入ったので、
ちょっと紹介させてくださいね。
ここからは、知り合いだとか太鼓持ちとか関係ないとお考えくださいw

<ちょっとネタバレ気味?のあらすじ>

世界観は典型的な、潔癖ファシストとも言える政府に抑圧された、
市民が階級に分けられた荒廃したデストピア。
この世界がダメにあった理由として、若者がに漫画なんぞにうつつを抜かしたからだと、
政府は漫画文化を徹底的に弾圧。
所持してるだけで殺されるような世界。

荒廃した世界の中で、瓦礫の山々からたまに「漫画」が発掘され、
それを闇ルートで売りさばいたり、こっそり秘匿して楽しむ「ヲタク」を狩る政府の狩人達。
その狩る側の最底辺に主人公レムは属していたが、ある日「うる星やつら」という漫画と邂逅し、それを縁として「漫画を愛する少女ロルカ」と出会う。

生きながらにして、心が折れて死んでいる毎日を送っていた最下層の青年レムの成長と、ボーイ・ミーツ・ガールの物語。そしてCICADAとは・・・?

こんな感じですがどうでしょうか?
解説していきますね^^

まずは絵柄。
バナーイ先生のそれは、
九十九百景-神様道中記の頃の、スッキリしているがやや力強さに欠ける、見やすさ重視の画風から、
大友克洋先生やたがみよしひさ先生のような、線が太くて、ややかすれた、
最近のデジタル化していった画稿では再現しにくいような、懐かしいハードSFのような画風に切り替わっています。
これがCICADAという作品の世界観にピッタリで、
どこか青臭い部分が魅力的な原作者の山田玲司先生とのマッチングも最高です。

肝心のお話。(ややネタバレ含みます)
まずテンポがとても良いです。

世界観を「説明不要」というくらい、あえて典型的SFの抑圧された社会にすることで、
絵と最低限の説明だけでイントロの冗長な展開を排しています。

さらに、クライマックスをまずドン!と置いて、そこまでに何があったか?
と辿る形の引き込み方、さらに発掘した漫画は、「もちろん僕達が大好きだった漫画達」で、
それらが描かれる事が、かなりキャッチーな売りになってると思います。

こういう作品中に、レジェンダリーな漫画を持ち込む場合、
「ブラックジャックによろしく」というタイトルなんかもそうですが、
威を借りれる反面、売れるためなら人のふんどしで相撲を取ると思われるリスクもあるんですよね。

この作品の場合だと、4つのやり方があったと思うんですよね。

1.絵柄を徹底的に原作に合わせて描く。
2.原作のコマをコラージュしてそのまま貼り付ける。
3.原作者に描き下ろしてもらう。
4.バナーイ先生の画風のままに描く。

これは本当に迷ったんじゃないかな。
すべて難しい部分ががあって、
1だと、今の技術だと似せるのくらい簡単だと、その技術が鼻につきますし、
2だと、権利問題で金銭がややこしくなるし、小学館の垣根を超えにくい
3.だと、やはり原稿料が乗ってコミックスが高くなる可能性、そしてすでに亡くなった作者には頼めない。
4.だと似ていないとか叩かれる可能性。

この中で4を選択した事が、ぼくには「威を借りた」わけではなく、
「このお話を作るにあたって、必要だっただけ」という清廉な意思表示のようなものを感じました。

さらに先ほどのテンポが良いに絡む事ですが、
物語の展開の中で、ネタバレになるから詳しくは書きませんが、
「カウントダウン」をもちこむことによって、さらなる緊張感と疾走感を醸してます。

始め一話だけを見た時、
おそらく「毎回漫画を発掘しては、その作品のファンを取り込み、紹介していく」ような
ダラダラとした「漫画を紹介していく漫画」になると思ってたのですが、
とんでもない!

主人公のすぐに折れる心がどう成長していくのか?
恋愛漫画の達人が、このハードSFの中に散りばめた恋愛がどう転がっていくのか?
強い芯を持ったお話だと感じました^^

このお話に、先に書いたバナーイ先生の「説得力のある絵」が乗ることによって、
1+1が2以上になるケミストリを生み出し、
古典に則りながらも先の読めない骨太なSFとして、
一線級のエンターテイメント作品として仕上がってると思います。


この作品の名前CICADAはセミの英語名なのですが、
セミと言えば脱皮を連想しますよね。

主人公が精神的脱皮を果たすのか?
山田玲司先生が自身が描けるのを、あえて原作に集中するというスタイルで一皮さらに剥けるのか?
新鋭、バナーイ先生がこれを機に「あのCICADAのバナーイ」と、漫画家としてサナギからの孵化を果たすのか?


感想文を書こうと思ったけど、ネタバレを避けていたら、
紹介文みたいになっちゃったw
みなさんにこの面白さの片鱗でも伝わればといいな。
2巻を楽しみに待ちつつ、見守って行きたいと思います^^



*2月19日には発売を記念して、和歌山の書店「TSUTAYA WAY ガーデンパーク和歌山店」
(和歌山市松江、TEL 073-480-5900)に山田玲司先生を招き、
バナーイ先生とトークイベントとサイン会を開催するそうです^^
近隣のファンの方々は是非、行ってみてください^^

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